Web3.0ってご存じですか?
「全然わからないけど、なにがすごいの?」「なんとなくわかるけど、なにが凄いかわからない」と思っている人が大半です。
Web3.0とは端的に言うとインターネット概念で、従来の「読む+発信」だけでなくデータを「所有する」が加わった新しいインターネットの概念となります。
こちらを初心者でもわかるようにご紹介します。
もくじ
Web3.0とは
web1: 1990-2005
— cdixon.eth (@cdixon) December 30, 2021
read
web2: 2005-2020
read + write
web3: 2020-
read + write + own
アメリカの実業家であるクリス・ディクソン氏は、Web1.0から3.0への変移について上記のようにツイートしてます。
和訳すると以下になります。
- Web1.0:読むだけ → 情報サイトを読む
- Web2.0:読む+発信 → SNSで個人から発信する
- Web3.0:読む+発信+所有 → 個人でデータを所有する
Web1.0はニュースサイトや大企業のHPなど個人は情報サイトを読むだけでした。
それがWeb2.0ではスマホの普及+SNSの台頭で個人でも気軽に発信できるようになりました。
これだけでWeb1.0→Web2.0の変移は革命的ですね。
ではWeb3.0の「所有する」とは何でしょうか。
データを所有する
ブロックチェーンの技術でデータの所有できるようになりました。
ブロックチェーンの技術とは高い透明性があり、改ざんは理論上不可な、自律型分散システムです。
これだけだとわかりずらいので解説します。
チェックポイント
高い透明性
ブロックチェーンの中身は誰でも閲覧可能で、どこからどこにビットコインを送ったかがわかる
改ざんは理論上不可
ブロックチェーン情報は全てのコンピュータに保存されるため、改ざんしようとすると全てのコンピュータを改ざんするという途方もない労力が必要
自律型分散システム
管理者がいなくても成り立つシステム
上記のような技術を持つため、例えば今話題のNFTアートで誰がこのアートを持っているか、ブロックチェーンの中身を見ればわかるんですね。
これがデータを所有するということです。
具体例をあげます。
例えば、Kindle本を買うと所有者は誰だと思いますか。
答えは「Amazon」です。
なぜならKindleの規約に「利用者は、Kindle本の”利用権”を持っている」と記載があり、Kindleを買うと読む権利だけもらえるんですね。
それが証拠にAmazonアカウントを取り消されるとKindleは読めなくなります。
逆にブロックチェーンで、例えばキッズダンクブックを売り出したら、この本のデータは所有権を売れます。
ブロックチェーン上で誰が所有しているか記載があり、誰でも閲覧できて改ざんが理論上不可だから、可能です。
なぜ所有するのか
「別にAmazonが所有してても読めるからよくない?」と思ったかもしれません。
ですが、例えばTwitterでマーケティングを本業としている人がTwitter社からアカウント凍結されたら、お金を稼ぐ方法を変える必要が出てきます。
SNSマーケティングやろうとしている人がTwitterと同じ知名度があるWeb3.0のSNSがあったら、どっちを始めると思いますか?
答えは規制がないWeb3.0のほうが多いです。
つまりこういったTwitter社などの管理者にて規制されるWeb2.0は健全ではないんですね。
そこで今後はWeb3.0のSNSなどで稼ぐような人が出てきます。
海外では関心が高い
✅アメリカ・オハイオ州の政治家のツイート
— Manabu (@manabubannai) December 13, 2021
Web3には「大きな可能性」があるので、私達が注意すべきは、この領域を「過剰に規制すること」です。この理解をもっと広めるべきです。
このツイートは、素晴らしいですね。日本だと「Web3」という言葉すら広まってないので、情報格差が大きいですね https://t.co/pqvtoloYDP
上記はインフルエンサーのマナブさんのツイートですが、米国の政治家がWeb3.0について述べてます。
内容はまだしも、Web3.0にについて考えていることがわかります。
マナブさんの言う通り、日本の政治家は「Web3.0?なにそれ、おいしいの?」状態なので情報格差が広がっています。
さらにはGAFAからブロックチェーンのスタートアップ企業に転職が多くなってきています(ソース:グーグル、アマゾンなどの大手テックから人材が流出している…仮想通貨やWeb3関連企業への転職が加速)
海外ではWeb3.0の有効性が広まってますね。
Web3.0で解決できること

Web3.0では、Web2.0で「不便」、「変えたい」と思われていたものを解決できます。
具体的には以下になります。
- プライバシーが守られる
- 国や企業に規制されなくなる
- 簡単に海外と金銭のやり取りができる
プライバシーが守られる
Web3.0ではID、パスワード、個人情報の入力が不要です。
個人情報を入力しないので、悪用されたり流出したりすることがありません。
例えば、PancakeSwapなどログインするのに必要なのは個人のウォレット(仮想通貨用の財布)だけです。
このウォレットにすら個人情報は不要です。
こちらの記事でもID、パスワードの入力不要のことは少し書いてます。
また、広告がなくなります。
例えば、パソコンを買おうとパソコンをクリックすると、他のサイトに移動してもパソコンの広告が表示される経験ありますよね。
このような広告がなくなります。
国や企業に規制されなくなる
先ほどWeb3.0では個人情報が不要と書きましたが、国籍も不要です。
例えば中国では仮想通貨の取引は禁止されてますが、国籍の入力も個人情報の入力もないので完全には規制できていません。
また、Twitterでアカウントが凍結されることが時々あります。
これはTwitter社に規約があり、それに反したら凍結されるのですが、Web3.0ではそのような中央集権がいないため、凍結されません。
簡単に海外と金銭のやり取りができる
トンガ王国の国会議事のFusituaさんから、返信もらいましたー!! pic.twitter.com/g64xbOZbRK
— キッズダンク🏀DeFi、NFTの仮想通貨ブロガー✖️二児のパパ (@kidsdunk2020) January 24, 2022
Web3.0では銀行送金より早く送金できます。
特に銀行の場合は海外への送金は時間かかるし、為替を気にしたり、国際送金に対応しているメガバンクを探したりと制限がたくさんあります。
仮想通貨のウォレットを使えば数分で送れます。
しかも手数料は無料(コインチェックなどの国内取引所からだと送金手数料はかかります)
上記のツイートはトンガ王国が海底火山の噴火で大変なときにビットコインの募金をしていたので、ビットコインを送ったときのツイートです。
海外と金銭のやり取りが数分でできるのを実感しましたね。
Web3.0の事例

では具体的にWeb3.0はどのように実現されているのでしょう。
代表的な例で2つあげてみます。
- Bitcoin(ビットコイン)
- PancakeSwap(パンケーキスワップ)
- OpenSea(オープンシー)
Bitcoin(ビットコイン)
仮想通貨の代表格、Bitcoin(ビットコイン)これもWeb3.0です。
Bitcoinはマイニングといって、「取引データを承認する作業」をするとBitcoinをもらえます。
管理者がいなくてもBitcoinをもらえるというメリットがあるからマイニングをやってくれる仕組みとなっています。
※このBitcoinがもらえる仕組みそのものもプログラムで自動でやってくれます。
これは他の仮想通貨でも一緒で、なにかをやってもらうメリットとして仮想通貨を配ります。
Web3.0の自律型分散システムを成り立たせるためには仮想通貨は必須なんですね。
PancakeSwap(パンケーキスワップ)
PancakeSwapは分散型取引所です。
一言でいうと仮想通貨の銀行です。
仮想通貨を預けて金利もらったり、仮想通貨の交換ができます。
このPancakeSwapですが、どのくらいの規模かというと1日に150億円以上のやり取りがあります。
リリースして1年ちょっとのサービスなのにすごい規模ですね。
PancakeSwapは海外のサービスですが、家にいながら簡単にやり取りできます。
さらにID、PW、個人情報は不要なので2021/12のLINEpayみたいに個人情報流出はありません。
PancakeSwapでDeFiしている記事はこちら
OpenSea(オープンシー)
OpenSeaは世界最大のNFTマーケットです。
こちらもPancakeSwapと同様自分のウォレットとつなぐだけで接続でき、ID、パスワード、個人情報の入力は不要です。
OpenSeaではインターネット上でNFTアートを買ったり売ったりできます。
ちなみに普通インターネット上でやり取りする際はクレジットカードや個人情報を記載しないとできないですが、OpenSeaでは本当に仮想通貨だけで取引できちゃいます。
- 豆知識:NFTとは
- NFTとは、「Non-Fungible Token」の略で、日本語にすると『非代替性トークン』となります。
例えば、NFTアートだと「このアートはあなたのものです」とブロックチェーン上に書き込まれます。
これによって「このアートは私のものだ」と証明されるようになります。
別の例で言うとオモチャ屋さんでオモチャ買った後に自分の名前をオモチャに書くようなものです。
Web3.0の課題

ここまでメリットしかご紹介してないのでWeb3.0のデメリットもご紹介します。
主に以下3つです。
- 利用する難易度が高い
- 自己責任感が強い
- 制度が整ってない
利用する難易度が高い

例えばPancakeSwapを利用するためには以下8ステップが必要です。
- 1.国内取引所(コインチェックなど)でBTC(ビットコイン)を購入し、Binance(海外取引所)へ送金
- 2.BinanceでBTCとBNB(バイナンスコイン)を交換※BNBは手数料として使うため少額でOK
- 3.MetaMask(自分の財布)をインストールしてBSC環境を構築
- 4.BinanceからMetaMaskへBTCとBNBを送金
- 5.Venus(マネーマーケット)とMetaMaskを接続して、BTCを預け入れる
- 6.VenusでBUSDとVAIを借り入れる
- 7.PancakeSwapでBUSDとVAIをファーミングする
- 8.ゲットしたCAKEをプールにいれて複利をゲットする
しかも内容が聞いたことないものばかりなので、「わからん、やめよう」ってなりやすいんですよね。
バイナンス?ウォレット?BUSD?なにそれ?状態ですね。
さらに英語で書いてあるサイトが多く、日本人からするとさらに難易度が上がっています。
PancakeSwap、OpenSeaなどの大規模なサイトは日本語にも対応してますが、日本語対応していないサイトが多いのが現状です。
自己責任感が強い
基本的に仮想通貨は自己責任です。
例えば、仮想通貨を送るときウォレットに送りますが、30文字前後の文字(アドレス)に送ります。
例:14P9Afj87zffzAst4fyYFGBDffhKEibMjn
このアドレスを打ち間違えるとアウトです。
一生戻ってきません。
従来の銀行だったら振り込み先を間違えた場合、組戻しという制度で戻ってきます。
これは登録するときにID、パスワード、個人情報を登録するからこそですね。
他にもPancakeSwap、OpenSeaの詐欺サイトもありログインしようとするとウォレットの鍵を入力させられて、そのまま仮想通貨全部盗まれます。
このようにWeb2.0と比較すると自己責任の範囲が広いです。
制度が整ってない
Web3.0は新しい概念なので、まだ法整備がされていません。
Web3.0はID、パスワード、個人情報がいらないので個人を特定して税金を払うなど、どのようにすればいいか全く決まってません。
DeFiといって仮想通貨の銀行で仮想通貨を増やす方法もありますが、この税金についても明確なルールはなく、既存のルールをいい感じに解釈するしかないと税理士の方も言ってます。
最悪、日本で仮想通貨を規制されるリスクもあります。
ここはどうなっていくかは全くわかりません。
Web3.0を学んで子供に伝えていこう
- Web3.0とは
- Web3.0で解決できること
- Web3.0の事例
- Web3.0の課題
上記についてご紹介しました。
Web3.0の概念は出たばかりですが、海外ではかなり関心を集めています。
まだ日本では浸透してないですが、次世代の子供たちが大人になることには当たり前の概念かもしれません。
※私が子供のころはWeb2.0のSNSなんて当たり前ではなかったですからね。
仮想通貨、ブロックチェーンのことを「怪しいから」「だまされるから」と言って全く知ろうとしないと子供たちにリスクを伝えることもできません。
まずは大人が勉強して子供たちに仮想通貨、ブロックチェーンのようなWeb3.0を伝えていきたいですね。
ここまで読んでくれたあなたに、ハッピーがありますように!!
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